円安で増えたドル貯金の解約、確定申告は必要?外貨建ての注意点は

今回は、外貨で貯金していたものを解約する際について、確定申告が必要な場合があるかという50代女性Fさんからのご相談です。50代女性Fさんの相談内容ドルで貯金していたものの解約を考えています。ただ、利益が100万円以上になりそうなのですが、確定申告しないといけないのでしょうか?確定申告は必要?ドル建ての金融商品を購入している場合、ドル円レートの変動によって大きな利益につながることもあれば、その逆に損失が生じる場合もあります。

今回は、外貨で貯金していたものを解約する際について、確定申告が必要な場合があるかという50代女性Fさんからのご相談です。

50代女性Fさんの相談内容

ドルで貯金していたものの解約を考えています。ただ、利益が100万円以上になりそうなのですが、確定申告しないといけないのでしょうか?

 
 

確定申告は必要?

ドル建ての金融商品を購入している場合、ドル円レートの変動によって大きな利益につながることもあれば、その逆に損失が生じる場合もあります。今回のご質問は「ドルで貯金」とあり、外貨預金または外貨建て貯蓄タイプの保険の解約を検討されていることが推察されます。日本円と海外通貨との金利差が拡大し、円安トレンドにある今、Fさんと同じように利益が出て、確定申告が必要かどうか疑問を持っている方も多いと思いますので、一般的なケースを1つ1つ紹介します。

外貨預金の場合

【画像出典元】「Hoowy/Shutterstock.com」

外貨預金は利子と解約(満期)時の為替差益、大きく2つの収益源があります。国内銀行で取引する場合、外貨預金の利子の課税は円預金と同様で、支払われる時点で源泉徴収されているため、特段対応する必要はありません。

一方、為替差益は雑所得として総合課税の対象となります。Fさんが会社員であれば給与と合算して確定申告が必要です。

税額も給与等その他の条件によって異なりますが、税率10%で考えると所得税を10万円ほど納めることになります。別途、翌年度の住民税にも影響します。

なお会社員の場合、給与や退職金といった会社から支給されるもの以外の所得が年間20万円未満であれば、確定申告は不要です。今回のFさんは利益が100万円とありますので、やはり確定申告が必要となります。

Fさんが専業主婦の場合も確定申告が必要です。ただ、専業主婦でその他の所得がない場合は、Fさん自身の基礎控除(所得税で48万円)などの所得控除を差し引くことができるので、結果それほど大きな税負担にならない可能性もあります。所得控除の金額次第では税額0円ということも考えられます。いずれにしても確定申告を行ってください。

外貨建て生命保険の場合

近年は一時払い終身保険など、外貨建て保険を契約している人も多くいます。この保険を解約する場合も確定申告が必要となります。一時払い終身保険の解約金は、一時所得の扱いになります。一時所得の場合、50万円の特別控除があるため課税されるのは50万円を超えた額に対してです。ただ、給与所得など他の所得と合算する際に2分の1を乗じることができるため、雑所得より負担は低くなりそうです。

<一時所得の計算方法>

・受け取った満期金(解約金)-支払った保険料-特別控除(最大50万円)

・給与等と合算する際に上記金額を2分の1に

よって、解約した年に、他に一時所得に該当する所得がなければ100万円の利益は特別控除で50万円の所得となり、その2分の1である25万円を給与所得等と合算することになります。つまり所得税率を10%とすると2万5000円の所得税を負担することになります。

ただし、終身保険ではなく養老保険や個人年金など、一定の契約で以下どちらも満たす場合は20.315%の源泉分離課税となります。これは解約金を受け取った時点で税金が差し引かれるので確定申告は不要です。

・一時払いの場合
・5年以下の契約、または5年超の契約を5年以内に解約した場合

総合課税と比べ50万円控除が使えないなど不利となることが多いため、特に短期で解約する場合は事前に確認をしてください。

為替差損が生じた場合は?

今回はドル高円安に進み、為替差益が生じたケースを紹介していますが、逆にドル安円高が進み損失を被る可能性もあります。この場合に確定申告を行っても、給与所得などの所得との損益通算は残念ながら認められていませんのでご注意ください。

まとめ

今回は、100 万円以上の利益が発生した際の確定申告について詳しく紹介していきます。このようなケースでは、外貨預金や保険に関連する所得についても、原則として確定申告が必要となります。具体的に見ていきましょう。

 

まず外貨預金についてですが、為替相場の変動や利子収入によって利益が生じることがあります。これらの所得はすべて課税対象となり、確定申告書に正確に記載する必要があります。もし申告漏れや虚偽記載が発覚した場合、厳しい罰則が適用されることもありますので、十分に注意が必要です。

 

次に保険についてです。保険金や解約返戻金が得られた場合、原則として確定申告が必要となります。特に生命保険契約のケースでは、「1 回の支払金額が 100 万円を超える保険金や解約返戻金」に関しては、保険会社が支払調書を作成し、税務署に提出することとなっています。つまり、このような場合、税務署はすでに支払いの事実を把握している状態となります。そのため、もし確定申告を怠った場合、すぐに不申告や申告漏れが指摘される可能性があります。このような所得は、所得税のみならず、国民健康保険の保険料計算にも影響を与えます。国民健康保険料は所得に応じて算出されるため、大きな利益が発生すると保険料が増額することもあります。

 

大きな利益が得られたときは、当然ながら嬉しい気持ちになります。しかし、解約後に発生する税金や保険料については、事前に十分に確認しておくことが大切です。税務署や保険事務所に相談するなど、正確な情報を入手し、納得のいく解約判断を下すようにしましょう。

 

特に 1 月や 2 月など、年の前半に保険契約の解約や満期を迎えた場合は、特に注意が必要です。保険金や解約返戻金は一括して支払われることが多いものの、確定申告の期間は翌年の 2 月 16 日からとなります。つまり、支払いを受け取ってから実際に納税するまでには 1 年ほどの期間があります。この間に、使いすぎてしまい、納税時に困窮してしまうということがあります。収入を受け取った際には、必ず税金や保険料の見積もりを行い、適切な資金管理を行うようにしましょう。これにより、無駄なトラブルを避け、円滑な納税を行うことができます。